大峰奥駈け(前鬼〜釈迦岳〜弥山〜大普賢岳〜柏木)
2006年7月29日(土)〜31日(月)


地図はこちら

*7月29日(土)
奈良交通バス「杉の湯」14:07〜15:25「前鬼口」15:30=18:00前鬼「小仲坊」
*7月30日(日)
前鬼「小仲坊」6:00=二つ石7:40=太古ノ辻8:35=深仙ノ宿9:25=10:20釈迦岳10:40=両部分け11:20=12:00孔雀覗き(お昼休憩)12:30=15:00舟ノタワ=17:10八経ヶ岳=17:30弥山小屋
*7月31日(日)
弥山小屋6:30=奥駈け出合7:40=行者還ノ宿9:10=行者還岳9:40=七曜岳10:45=12:00水太覗き(お昼休憩)12:30=13:00大普賢岳奥駈け出合=13:50阿弥陀ガ森=14:20伯母谷覗14:30=上谷分岐16:10=柏木バス停17:20 奈良交通バス「柏木」18:00〜18:25「杉の湯」


その前に・・・

 昨年の11月に三十数年ぶりの山歩きで釈迦岳に行きました。天気も良くて北側に見えた山がてっきり山上ケ岳とその時は思いこんでいました。インターネットで知り合えたwolfgangさんにも、恥ずかしげもなくそのようにメールしてしまいました!

 今年の5月15日に、和佐又ヒュッテから大普賢岳から七曜岳へ行ったおりに、七曜岳から眺めた行者還岳と弥山がカッコ良くて、「次はあそこ!」と、決めました。5月末に、弥山から釈迦岳縦走を思い立ち、まず弥山小屋へ日曜日に予約完了。「月曜は小仲坊で」と電話を入れましたら、「食事の用意ができるのは土曜日と日曜日だけ」とのこと。中止すればいいのに、トンネル西口から出合〜行者還岳〜弥山小屋と歩きました。

 その後、チーさんやいろんな人の記録を見てると、行者還岳の山頂の南に断崖絶壁があるというではありませんか!? 確かに山頂でお昼ご飯を食べてシャクナゲも見たし、途中「ヤマシャクヤク」の白い花がきれいと感動もしたのに、なにか損した気分。

 6月・7月と天気予報を睨めっこしながら、上のような道順で行くことにしました。最初は、wolfgangさんのように下市の大淀公営駐車場に車を止めて、バスで「前鬼口」まで行き釈迦岳・山上ケ岳から洞川温泉へと歩くつもりだったのですが、おやじさんのHP「伯母谷覗」を見てしまって、結局これにしました。

 家人、息子、その嫁、私の姉やその夫が、「山行くのはエエけど、一人はアカン! 年を考え!」との猛反対を振り切って、「帰りには水を汲んでくるから」と、理由にならないことを叫んでいざ出発!!!

事前に、工程中に心がけたこと。
1. 水分補給を充分にすること。(500ccと2Lのボトルを持参し、必ず1Lは残すこと)
2. ばてないように、体力バランスを考えて小休止をこまめにとること。
3. 非常食(缶詰)、行動食(小あんパン)、キャンディや梅干しを持っていくこと。



不動七重ノ瀧





小仲坊

 早めのお昼ご飯を済ませて、家人に機嫌良く(本当!)見送られて11時に自宅出発。

 1時30分に川上村役場到着。イベントがあったみたいで役場の駐車場は一杯。道路右側の「杉の湯」駐車場近くに駐車。
 総勢5名のお客さんをのせてバスは出発。柏木で一人の上品なおばあさんが降りられ、和佐又で一人の登山客が降り、しばらく行くと年輩のご夫婦が降りられて、前鬼口まで私一人になりました。揺られながら、「今バスに乗ってる距離を二日で歩くのか!」と、正直気が重くなりました。運賃は、1750円でした。

 バスを降りて身支度してると、携帯着信。「幸先悪いな!」と、取ると仕事の電話でした。その後、伯母谷覗までずっと「圏外」でした。

 初めての32Lのリュックを担いで、約10キロの道のりをテクテクと林道歩き。「上がってくる車があれば乗せてもらえるかな?」と、調子の良いことを念ずれど一台も来ないまま、植物の景色も変わってシダ類が目に付きだした時に小仲坊到着。


 若い主人夫婦に挨拶し、食事お弁当の代金7500円を支払う。6時から夕食とのこと。
 翌日少し早めに出発したいこと、5時半の朝食をお願いしました。

 食事は、鮭・キュウリの酢の物・ごま豆腐・アスパラの和え物・高野豆腐とジャガイモの煮付けと、みな少し薄味ですが美味しくいただきました。(写真は恥ずかしくて撮れませんでした)

 枚方からの同年輩らしきご夫婦(当日釈迦岳・大日岳と上られたそうです)と、数名のパーティが同宿です。あと、8名が素泊まりの予定とのこと。
 7時過ぎには、少し横になるつもりがぐっすり寝込んでしました。

 夜中12時頃に、「やっと降りてきた!!」と、騒がしい声がしましたが、また、寝込んでしまいました。翌朝、8名グループの一人の方が、「昨晩は騒がしくてすみませんでした。前日弥山小屋を朝早くに出発したのですが、メンバーの一人が高齢で膝の調子が悪くなり迷惑をおかけしました」と、皆に丁寧に謝っておられました。


5時に起床。ゆで卵つきの朝食をたっぷりいただき、お弁当を受け取り、主人夫婦や同宿のみなさんに挨拶して、6時出発。

「二つ石」を過ぎるまでは、汗が吹きだして、まずはココで小休止。小あんパンを食べてお水も500ccがなくなりかけ。
途中、右側の沢に紛れ込まないようにロープが何カ所もありましたが、昨日の8名のグループも良く紛れ込まずに「小仲坊」に到着できたものと、感心しました。

歩いていく先が明るくなったと思ったら「太古ノ辻」到着です。歩き出して2時間30分ですから、ほぼコースタイム通りです。
今は、まだ元気です!!

左2枚「二つ石」 太古ノ辻
 ここから、「奥駈け道」の始まりです。「まずは釈迦岳まで体力を温存してゆかなくては」と、気を引き締めます。

 深仙ノ宿の水場で、水を補給しようとしたのですが、水は流れ込んでいませんでした。貯まっていた水はボウフラがいたので諦めました。弥山からのグループの方は、途中水場はなかったと言っておられたので、「烏の水」も無理なのかと、思いました。

 深仙ノ宿で、小仲坊の前でキャンプしていた方が追いついてきました。「キャンプの装備なのでゆっくりしか歩けない」と、おっしゃってましたが、なんのなんの、私より30分後に出発して同着なので流石です。
 今日は弥山の国見八方覗でキャンプ予定とのことですので、私も一人では心細いので、「できる所まで、ご一緒してほしい」と頼みました。深仙ノ宿の水場を期待しておられた様子で、がっかりしておられました。

大日岳 深仙ノ宿


釈迦岳山頂(ガスです)

ガスの切れた西側

 「深仙ノ宿」から「千丈平」へ抜ける道のことを、おやじさんのHPで知っていたので、「千丈平へ行けば、水場はありますよ!」と、伝えたのですが、結局そのまま直登しました。たしかに、道に大きな岩がむき出しになっていて、雨の日のくだりは滑りそう!!
 今日は、スパッツを持ってきたのに暑いからとズボラしてしまって、もう足許は、露やら泥やらでグショグショです。

 10時20分に、ようやく釈迦岳山頂到着です。
 残念ながら、ガスで視界はまったくありません。家族連れの5名グループと、単独の方お二人と山頂で会いました。
 山頂で、「元気一発!」を、1本飲んで、腰にぶら下げていた水筒もリュックに仕舞い、険しそうな尾根道を下っていきます。

 しばらく下ると、西側の沢がきれいに見えました。(左下2枚)

 これが、「椽の鼻」だと思います。(下の写真)

 通り過ぎてから写しました。

 このあたりの風景は、めまぐるしく変わります。奇岩や西の沢・東の沢を眺めながら、尾根の樹木も厳しい環境に耐えて生息しています。足許には、名前も知らない花が咲いています。

 寺山修司さんの詞で「野に咲く花の名前も知らない。けれども野に咲く花が好き。両手に一杯摘み行けば、なぜか涙が流れてやまず・・・」という、戦争で父親を亡くした歌を思い出して、口ずさみました。

上の写真2枚は、「孔雀覗き」です。ここで、お昼休憩です。お弁当を全部食べました。(残せない性格です)

 同行してもらってる方とも少し話しました。「高校の時から登山を続けていて、今回は久しぶりの登山でなおかつキャンプ装備なので大変」。「登山の連れはいるのですが、スケジュールが合わなかったりで、最近は一人が多いです」。「弥山は弥山川からのコースは距離は長いですが良いですよ!」とのこと。機会があればまた次は・・・。
 昨日は、午前中のバスで前鬼口まで来たそうですが、バスで柏木からキャンプ装備で南へ縦走する女性と一緒だったとか。「どこかですれ違うかな?」と、言ってました。お昼休憩の時に、もう一人おられた方は「峠に車を置いているのでこれで戻ります」と、釈迦岳の方向へ帰りました。

 食事後、私が先に出発しました。少し進むと、男性一人、女性二人のグループとすれ違いました。「もう少しで美味しい”トリの水”が、あるよ!」と、教えてもらいました。(この場合、トリもカラスも同じようなものです)

下左2枚=カラスの水(下の筒から水は流れてました。充分に喉を潤すことができました)

 ここらあたりから、疲れも出始めています。

 楊枝ガ宿はきれいな小屋でしたが、この小屋についたときに時計をなくしたことに気付きました。時計の皮ベルトが切れかかっていたので、途中で落としたことにも気付かなかったのでしょう。楊枝ガ宿での写真を撮ることも忘れてました。
 同行した方は、「狼平の小屋も、この小屋と似ている」と、言ってました。あんパンをお裾分けして休憩。

 休憩後、同行の方が先になって進むと、北から一人の女性が歩いてきました。バスで一緒だった女性のようです。少し話し込んでおられたので私が先に弥山へ向かいました。首には、ちゃんと磁石と地図をさげて「正しい登山者」のようです。見習わなくては・・・!

 後で知りましたが、前日の朝「柏木」でバスを降り大普賢岳付近でキャンプをして昼過ぎに楊枝ガ宿周辺で会いましたから、すごい健脚です。私も、翌日くだりにもかかわらず「身をもって体験」しました。

  途中休憩、ばて気味!

 

舟のタワ 八経ガ岳山頂

「舟のタワ」で、3時です。弥山小屋へ予約を入れたときには、「5時には着けないかも・・・」と、伝えていたのですが、同行の方に了解を得て疲れた体に鞭撲って先に進みます。だけど、この辺まで来ると弥山小屋や国見八方覗きの稜線が見えて、少し元気になってきました。

しかし、八経ガ岳山頂迄上がるとガスで視界はまるっきりなしです。山頂で写真を撮り、時間を見ると5時10分です。あとは、以前来た道を弥山小屋まで一直線です。

最初のケージの左に、一輪だけオオヤマレンゲが咲いていました。

 5時30分、やっと弥山小屋到着です。
 到着が遅くなったことを詫び、3食込みの費用8800円を支払い、ドロドロになったズボンを着替え室で脱ぎ、シャツと一緒に乾燥室に架けました。「今日は、38名の大峰講の予約があり、夕食が少し遅れること。明日の朝、講の人たちは4時には出発するので了解してほしい」と、告げられました。「他に宿もないし、シャーアンメイ!」と、口には出せず部屋に入りました。

 2階の部屋に案内してもらい、講の人たちが到着する前に夕食をとりました。ビールがおいしかった!!

 私が食事を終えたときに、3人の若い女性が散歩から帰ってきました。よく似た顔つきだったので、「ご姉妹ですか?」と、聞くと「そう!」とのこと。オオヤマレンゲが咲いていたことを伝えると、「明日の朝、見に行ってみる!」と、喜んでいました。見られたかなあ?

 その後、38名の講の人たちが到着しました。
 騒がしかったですが、私はストレッチを少しして、7時すぎに寝てしまいました。


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